占い

現在、占いというものは「占い師が生きていくための手段」である。
それ以上でもそれ以下でもない。
いろいろ付加価値をつけたがる人もいるようだが、
どうにも無理矢理感が否めない。
都合のいい占いしか信じないならば、自分で作るのと変わらない。
むしろ、自分で作るほうが安上がりだ。


占いの歴史は古い。


古来、占いは政治と密接に結びついていた。
例えば、卑弥呼がソレだ。
占いや祈祷により未来を見ることができる(と思われていた)人が
権力の座につくことが多々あった。
最近でもヒトラー占星術師を囲っていたという話もある。


けれども、邪馬台国は滅んだ。
ヒトラーも戦争に負けた。


未来を完全に予想、予測することは不可能だと証明されている。
カオス理論、バタフライ効果、などだ。
不確定性理論もそうかもしれない。
例えば、天気予報はよく外れる。
緻密な過去のデータに基づいて、日々進化している理論に基づいて、
がっつり計算してもその程度なのだ。
怪しげな石や棒やらで占った結果など何をかいわんや。
むしろ当たると思うほうがどうかしてる。
「占い師100人が100通りの方法で付きっきりで24時間体制で占ってるので、
いつどんな事故が起こるのかわかり、前もって対処することができます。
だから、この原発は安全です。」
とか言われても、ちっとも安心できない。
万人がそうだと思う。
なのに今日の運勢とかは信じるんだよな。
どんな違いがあるねん。


占いとして古来からあるものの一つ「占星術」を分析してみる。
占星術とは天体の位置で、
性格やら運勢やらなんでもわかるというものらしい。
占星術にはいくつか疑問な点がある。
まず、占星術はいまだに天動説を引きずっている化石のような体系だ。
これだけでもなんだか眉唾な感じがしてくる。
そして、新しく天体が見つかったりしても体系に組み込まれることがない。
しばらく前に冥王星の外側に惑星が発見されたが
占星術師は発見されたことすら知らないんじゃなかろうか。
さて、人間が天体から受けるであろう影響は2つある。
万有引力と太陽光の反射光だ。
目に見える光と、地球や太陽、月に比べれば無きに等しい引力である。
他にも細かいものはあるだろうが、ここでは無視する。
これらからいったいどれほどの影響を受けるというのか。
太陽光の反射光の波長は、当然、太陽光に含まれており、
当たり前のように太陽からの影響のが格段に大きい。
というか、見た感じ蛍光灯のが星よりもはるかに明るい。
地球の自転による遠心力で緯度によって重力の大きさが変わるが、
その変化分の方が海王星から受ける万有引力よりも大きい。
もう一度言う。
いったいその程度のものに何を影響されるというのか。
しかも、運勢やら性格やらに、である。
もしも影響を受けるとするなら、
住んでいる場所の高度や緯度によって運勢に違いがあるはずだし、
普段使っている照明器具が蛍光灯か電球かで性格が変わることになる。


はっきり言って、よく当たる占いというものは、
当たり障りのない占い、でしかない。
誰にでも当てはまるものだから、当たって当然、ということだ。
ソレが証拠に、当たって当然ではないものは当たらない。
地震然り事故然りテロ然り。
占いで当たるのは、占うまでもなく当たることだけだ。
そもそも、占いというものはそういう風に作ってあったりもする。
ある程度当たらないと、占い師としての信用がなくなり、
生活費が稼げないからだ。


未来は決まっていない。
占いごときにはかれるものでもない。
だからこそ、努力が報われ、自由に生きることができる。


あ、占いと心理学は別ね。
心理学は当たるよ、結構。
学問として体系になってるくらいだから。
統計学、心理学を組み合わせたのはかなり当たる。