道程

手に入れられれば何かが変わるのがわかっていて、
それがすぐそこにあるのが見えていて、
手を伸ばせば届きそうなのに、
ほんのわずか、ほんのわずかな距離が、
手とそれとの間を隔てる。
それを手に入れられない焦燥感と、
それにあとわずかで手が届くという高ぶり、
それを手に入れたあと何かが変わるという期待感。


それを求めるために、
その瞬間のために、
きっと僕は何かをしている。