相対

1は10に対して、圧倒的に少ない。
10は1に対して、圧倒的に多い。
少なさという点では、10は1の足元にも及ばない。
多さという点では、1は10の足元にも及ばない。
どちらから見るかによって変わる相対的な問題だから、
このようなことになる。
どちらが優れているとはいえない。
ただ、1のほうが優れていると思う人にとっては、
たとえ両方の利点を理解していようと、
1の持つメリットは10の持つメリットよりも、
圧倒的に優れているように映る。
10の持つメリットを認めない人にとっては、
何をか言わんや。


最初から見えている人は、
1の線で全て事足りる。
全く見えてない僕は、
10の線まで描き殴って結局1の線を選ぶ。
でも、1よりもよりよい5の線を見つけたりもする。
1の線がはっきり見えてしまっている人は、
5の線の存在に気がつけないから、
5の線を描こうと思えば、
"それ"を"1の線"として最初から描くしかない。
可能性という点で10は1に勝るけれど、
コストや時間という点で、10は1に遠く及ばない。
どちらが優れているとも思わない。
どちらも優れていると思う。
ただ、両立はできない。
どちらが優れていると思うかは、
その人次第。


終わりが見えているから、終わりに向けて収束させられる。
終わりが見えていないから、どこまでも続けられる。
有限であることと、無限であることの、
どちらが"絶対的に"優れているかなんて、
比較できないと思う。
場合によりけりだから。