人間(Human being)

人は"いつ"から人になったのだろう。




人と他の動物をわける境界はどこにあるのだろうか。


火を使うこと?
二足歩行?
年中発情期?
音声を駆使した高度なコミュニケーション?
農耕による食料調達?


色々ある。
そのどれもが正解であり不正解。
単にDNAが違うという究極の境界の前には全て霞んでしまう。
ゆえに僕は"鍋"という境界を提唱しよう。


鍋を作り食べるのは人だけだ。
言い換えてみよう。
鍋を作って食べることで人は人となる。
鍋を発明したことで人は猿と決別した。
つまり、そういうことだ。


数十万年前、人は火を手に入れた。
人は調理を発明した。


その数十万年後、今から数万年前、人は土器を手に入れた。
火があり、そして、器がある。
人は鍋を発明した。


鍋を美味いと感じるのは数千年数万年前から脈々と受け継がれてきた、
いわば人間の本能なのだ。
その本能は今も人間の奥深くにしっかりと根付き、
世界中で独自の鍋に進化し愛されている。
最も古く、最もシンプルで、ゆえに最も奥深い料理。
それが鍋。
人が人たる理由。


なんて厨二くさいこと考えながら食べる鍋もまた格別。


まあなんだ。
土鍋を衝動買いしたのは本能だったのだよ、という言訳。
みたいなー。